日本ユニシスは12月3日、Webサービスを使うポータル・サイトを実現するプロトタイプ・システム群を構築したと発表した。インターネット上に公開されたWebサービスを、ポータル・サイトで使うコンテンツの一部として利用できる。Webサービスを使うことで、コンテンツ管理の手間を容易にするのが狙い。日本ユニシスは、プロトタイプ・システムの構築で得たノウハウを今後のシステム導入サービスに生かしていく考えだ。

 日本ユニシスが構築したプロトタイプ・システム群は、3種類のWebサービスを公開するWebシステムと、そのWebサービスからコンテンツを取り込むポータル公開用Webシステムで構成する。公開するWebサービスは、(1)海外旅行先の現地情報を公開、(2)旅行料金の見積もりを受け付ける、(3)受け付けた見積もりの結果を表示する、という機能を提供する。

 今回日本ユニシスが開発したWebサービスの大きな特徴は、表示させるコンテンツだけでなく、ポータル・サイト上で表示する画面のレイアウト情報も提供できるようにしたこと。例えば、海外旅行に関する情報を公開するWebサービスの場合、ポータル・サイトから処理要求を受け付けると、表示させる記事や写真のデータに加えて、画面レイアウト情報も送信する。

 日本ユニシスは、このWebサービスのことを「ポートレットWebサービス」と呼ぶ。ポートレットWebサービスは、ポータル・サイトから画面の表示要求があると、情報の内容をまとめたXMLデータに加えて、XMLデータの表示方法を定義する言語「XSL(Extensible Stylesheet Language)」で書かれた画面のレイアウト情報を送信する。

 「ポータル・サイト用システムは、Webサービスから画面レイアウトに関する情報まで受け取る。このため、ポータル・サイト側でデータの表示画面を用意する手間が省ける」と、日本ユニシス インテグレーションサービス部.NETビジネスディベロプメントの岩本のぞみマーケティングマネージャーはメリットを説明する。このほか、ポータル・サイト側で表示データを管理するデータベースを持つ必要がないといった運用面でのメリットもある。

 今回のプロトタイプ・システム群は、ポータル・サイトを閲覧するインターネット利用者が、海外旅行に関する情報を取得したり、旅行料金の照会をするという想定で開発した。今年10月半ばから11月にかけて、日本ユニシスの開発者一人が1週間でシステムを構築できたという。日本ユニシスは今後、ポートレットWebサービスを使ったシステム構築サービスを、同社のシステム導入コンサルティング・サービス「LUCINA Webサービスコンサルティング」の1メニューとして提供していく予定である。

西村 崇=日経コンピュータ