日本オラクルは来年2月24日に、メールやファイル管理機能をひとまとめにしたWebベースの企業向け共同作業(コラボレーション)用ソフト「Oracle Collaboration Suite」日本語版の出荷を始める。1ユーザーあたりのソフト価格を7500円に抑えたのが売り物。この価格には、Collaboration Suiteの実行に必要なデータベース管理ソフト「Oracle9i Database」と、Webアプリケーション・サーバー用ソフト「Oracle9i Application Server」の料金も含まれる。

 「競合他社のグループウエア用ソフトで100ユーザーが利用するシステムを構築すると、2000万円程度かかる。当社製品なら、その2分の1から3分の1程度の料金に抑えることができる」と、日本オラクルの新宅正明社長は強調する。構築費用だけでなく、運用コストの削減効果もアピールする。「Collaboration Suiteを利用している米国のあるユーザー企業は、マイクロソフトのExchangeから切り替えたことで、ソフトやハード、運用要員を合わせた運用コストを約44%下げることができた」(新宅社長)。

 日本オラクルの山元賢治取締役は、Collaboration Suiteを使うことで運用コストも削減できる理由を、「これまで複数サーバーで管理していたメールや共有するファイルのデータを一元管理できるからだ」と説明する。「メール・システムはいまや業務に不可欠なもの。それにもかかわらず、多くの企業ではメール・サーバーが乱立しており、多数のサーバーを運用するためのコストがかかっている。ファイル共有システムも部署ごとに立てており、部門間を超えてデータを共有することが難しい。Collaboration Suiteで業務で必要なデータを統合管理することで、サーバーのコストを削減できることに加えて、部門間にわたる業務プロジェクトの情報共有も容易になる」と、山元取締役は続ける。

 Collaboration Suiteは、メール機能とファイル共有機能、カレンダ機能を備える。これらの機能は相互に連携しており、「ファイルを共有したい社内プロジェクトのメンバーにメールを送信できる」といったことができる。メール機能は、Webブラウザからだけでなく、OutLookでも利用可能。ただし、カレンダ機能は、2月24日より後に提供される見込み。カレンダ機能の価格も、1ユーザーあたりの価格である7500円に含まれている。

 Collaboration Suiteの動作OSは、SPARC版Solaris、Linux、Windows NT/2000、hp-ux。メール機能だけやファイル共有機能だけのソフト価格は、1ユーザーあたり5620円。年間保守費用が別途定価の25%かかる。

西村 崇=日経コンピュータ