ネット専業のジャパンネット銀行(http://www.japannetbank.co.jp/)は来年2月にも、XML(エクステンシブル・マークアップ・ランゲージ)を利用した決済サービスを本格的に始める。BtoB(企業間電子商取引)における商品の受発注処理にXMLデータを使う企業は多いが、口座振替や振り込みといった資金移動の処理にXMLデータを利用する企業は珍しい。小村充広常務は「口座振替サービスでXMLを利用する例は世界でも初めてだろう」と語る。今年12月から試行する。

 ジャパンネット銀行がXMLを使うのは、競艇のインターネット投票サービス向けの口座振替サービス。ジャパンネット銀行の口座振替システムと競艇投票システムとの間でやり取りするデータの形式にXMLを採用する。口座振替にかかわる一連の処理を完全に自動化するためである。

 具体的な手順は以下の通りだ。インターネット投票サービスの会員がWebブラウザを使って競艇投票システムにアクセスして口座振替の金額を入力する。すると投票システムが金額や口座番号などからなる依頼データを自動作成して、XML形式でジャパンネット銀行の口座振替システムに送信する。口座振替システムは所定の金額をジャパンネット銀行の口座から競艇の専用口座に振り替えた後、処理完了通知をXML形式で競艇の投票システムに返信する。口座振替の金額を入力してから「約10秒で処理を完了できる」(小村常務)という。

 ジャパンネット銀行は口座振替システムと競艇の投票システムとの間でXMLデータをやり取りするために、ソフトハウスのインフォテリア(http://www.infoteria.com/)が提供するBtoBシステム構築ソフト「ASTERIA R2」を導入する。

栗原 雅=日経コンピュータ