「ハッカーなどの外部からの攻撃を原因とするシステム・ダウンは全体の3%にすぎない。ほとんどがオペレーションのミスなど内部に原因がある」。こう語るのは米トリップワイヤでCEO(最高経営責任者)を務めるワイアット・スターンズ氏(写真)だ。

 同社はシステム上のデータの不適切な変更や改ざんを防ぐソフト「Tripwire for Servers」を開発した。国内でもトリップワイヤ・ジャパン(http://www.tripwire.co.jp/)を通じて販売している。Tripwire for Serversはシステムが安全な状態の時にスナップショットを取っておき,これを基準として最新の状態との差異を分析・通報および復旧する機能を持つ。

 スターンズCEOによれば、システム・ダウンの原因の約80%が内部に起因するもので、災害など不可抗力によるものや外部からの攻撃に起因するものはそれぞれ17%、3%にすぎないという。日本の企業はこの79%にあまり目を向けず、3%の部分に多くの投資をしているのが目立つとする。「飛行機で例えると、乗客のセキュリティ・チェックは厳しいが、飛行機自体のメンテナンスをおろそかにしているようなものだ」(スターンズCEO)。

 さらにスターンズCEOは、「日本の企業はミスを起こさないためにシステム管理のやり方をもう一度しっかりと考え直し、手順や原則をマニュアルなどにする必要がある。多額の投資をしながらダウン・タイムがなくならない原因をもう一度考えるべきだ」と語った。

松浦 龍夫=日経コンピュータ