米シマンテックのロス・リオス氏 シマンテック日本法人は来年3月までに、セキュリティの統合管理ソフト群「Security Management System」を出荷する。自社のウイルス対策ソフトや、他社製のファイアウオール、侵入検知ソフトなどからの警告を一元的に管理して、システム管理者に通知する。これまでサーバーや通信機器を管理する目的でTivoliやJP1などの統合管理ソフトはあったが、セキュリティ分野に焦点を当てた統合管理ソフトは珍しい。

 米シマンテックコーポレーションのリリー・デ・ロス・リオス プロダクトデリバリー&レスポンス担当副社長(写真)は、「企業に導入されているセキュリティ対策製品は、ウイルス対策やファイアウオール、侵入検知ソフトなどに細分化されてしまっている。システム管理者が個々の製品だけを見ていては、問題の全体像をつかみにくい」と指摘する。統合管理ツールの重要性を訴え、「セキュリティ分野のTivoliを目指す」と意気盛んだ。

 昨年9月に猛威を振るった「Nimda」のようなウイルスは、電子メールの添付ファイルのほか、インターネットを介した不正アクセスや、JavaScriptなど複数の経路で感染する。将来、同様のウイルスが登場したときに、不正侵入検知ソフトやウイルス対策ソフト、ファイアウオールなどからの警告を総合して、全体の状況を把握し、対策をとることができる、と説明する。

 新製品の価格は未定。シマンテックは、Security Management Systemで統合管理できるソフトやハード製品を増やすために、今後ベンダーに働きかける方針。来年3月までに、ベンダーに向けた技術的な支援や開発ツールの提供などを実施する。

坂口 裕一=日経コンピュータ