監査法人大手の朝日監査法人がナレッジ・マネジメントを推進している。この10月までに、イントラネットで社員に公開する情報を、顧客企業の産業ごとや社内の部門ごとに体系化し直したほか、事業部やプロジェクト・チームの一部の社員を「ナレッジ・マネジャ」に任命。情報収集の担当者を業務の現場に置くことで、付加価値を生み出しそうな情報を確実に収集できる体制を整えた。
朝日監査法人は今後、大きく二つの取り組みを実施して、ナレッジ・マネジメントを加速させる。一つは、ナレッジの評価基準を策定すること。役立つ情報を提供した社員を高く評価する仕組みを構築することによって、情報収集の活性化を図る。
もう一つは、ナレッジの応用方法をトレーニングすることである。例えば、ナレッジを活用すると何ができるのか、あるいはどう活用したら効果的か、といったことを社員に教育する。ナレッジの応用方法を習得させて、社員1人ひとりの能力を向上させるのが狙いだ。朝日監査法人でナレッジ・マネジメントを推進する山本哲朗KM推進室長は、「社員が100人いれば、100人分のナレッジがある。ナレッジを応用することで、1人ひとりの社員が100人分の能力を発揮できるようになる」と期待する。