「残念な結果。市場の厳しい評価を厳粛に受け止める」。今日、東証一部に上場した新日鉄ソリューションズの棚橋康郎社長は、株価が公開価格5500円より1150円も安い4350円で上場初日の取引を終えたことを受けて、こう語った(写真)。
といっても、棚橋社長に気落ちした様子はない。「市場の評価には、今後の業績向上でこたえていきたい。売上高とサービス品質の両面で、お客様からトップ・ソリューション・プロバイダと認識してもらえるように頑張る」と意気込む。
棚橋社長は、「日本の製鉄業が、高い人件費と土地代を支払っているにもかかわらず、国際競争力を維持しているのはITのおかげ」と、新日本製鉄の情報システムを長年支えてきた自信をみせる。
「目標とする企業は、日本IBMと野村総合研究所(NRI)」という棚橋社長。その理由として、日本IBMについては大型プロジェクトのマネジメント能力や、eビジネスなどの新しいコンセプトを打ち出す能力を、NRIについては証券・流通業界向けのソリューションを挙げる。
昨年4月に新日本製鉄のエレクトロニクス・情報通信事業本部と新日鉄情報通信システム(ENICOM)を統合して誕生した同社だが、「どちらも新日鉄のDNAを持っている企業なので、統合はとても順調にいっている」(棚橋社長)という。