シスコシステムズ日本法人のSAN市場への具体的な取り組みが明らかになった。年末に、大規模SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)向けスイッチ製品群「Cisco MDS9000シリーズ」を市場に投入する。最大256ポートのファイバ・チャネル・インタフェースを持つ基幹系スイッチ「9500」と、最大48ポートの端末側スイッチ「9216」の2製品でシリーズを構成する。シスコ日本法人は、「具体的な構成、価格、パートナー戦略などを詰めている段階。11月には正式発表したい」としている。

 シスコが大規模SAN向けのスイッチを製品化するのは日米ともに初めてで、今回の市場投入がSANスイッチ市場への本格参入を意味する。ただし、SAN向けスイッチ製品は米ブロケード コミュニケーションズ システムズ(http://www.brocade.com/)と米マクデータ(http://www.mcdata.com/)の2社が市場を席巻している。シスコは「当社が持つIPネットワークとの接続ノウハウを生かして、2強に対抗してきたい」としている。

 シスコの9500はブロケードの「SilkWorm 12000」やマクデータの「Intrepid 6064 Director」と、9216は、ブロケードの「SilkWorm 3200/3800」やマクデータの「Sphereon 3200」と市場で競合するはずだ。シスコの挑戦によって、SAN市場はいっそう熱気を帯びてきた。

 MDS9000シリーズはSAN向けスイッチの開発ベンダーである米アンディアモシステムズ(http://www.andiamo.com/)の技術を使って開発されている。米シスコはアンディアモの買収を進めており、今年8月に実質的に傘下に入れた。米国でも同じく年末から出荷する予定である。-

鈴木 孝知=日経コンピュータ