トレンドマイクロ(http://www.trendmicro.co.jp/)は、従業員がWebを閲覧する際のセキュリティを確保する、企業向けサーバー・ソフト2種類を発売する。従業員がWebサイトを閲覧したときにパソコンに感染するウイルスを検知・駆除する新製品「InterScan WebProtect 1.0 for ICAP」と、機能強化したWebサイトの閲覧制限ソフト「InterScan WebManager 2.1」である。

 WebProtectは、HTTPやFTPを使ってインターネットからダウンロードするファイルが、ウイルスに感染していないかどうかを調べるソフト。キャッシュ・サーバー製品と連携させて利用する。キャッシュ・サーバーと他のソフト製品とのデータ交換用に標準化されたプロトコル「ICAP 1.0」を使う。トレンドマイクロによると、ICAP 1.0に対応したウイルス対策ソフトはWebProtectが初めてだという。

 ICAP 1.0に対応しているキャッシュ・サーバー製品は現在、日本ネットワーク・アプライアンス(http://www.netapp.co.jp/)と、キャッシュフロージャパン(http://www.cacheflow.co.jp/)から出荷されている。

 トレンドマイクロはWebProtectを、従業員が1000人以上の大規模企業に向けて売り込む予定。同社は従来、HTTPやFTP経由で侵入するウイルスを検知するサーバー・ソフトとして「InterScan VirusWall」を販売してきた。VirusWallは、社内に入ってくるすべてのファイルを調べていたが、WebProtectはキャッシュ・サーバーと連動することで、ウイルスに広く利用されている拡張子がついたファイルだけを引き取って調べる。

 「WebProtectは、ウイルス感染の心配がないテキスト・ファイルやGIFファイルといったファイルを除いて調べるので、多くの利用者のいる大企業ほど、VirusWallよりも効率的にウイルスを検知できる」と、トレンドマイクロ マーケティング本部の岡野健人プロダクトマネージャーは説明する。

 一方のWebManagerは、従業員が業務に無関係なWebサイトの閲覧を制限するためのソフト。WebManagerの設定画面から、閲覧を制限したいWebサイトのカテゴリを指定して利用する。カテゴリは「アダルト」や「ショッピング」、「ギャンブル」など28種類あり、制限可能なWebページ数は1000万以上に上る。

 WebManagerの大きな特徴は、従業員が利用するWebブラウザのバージョンを見分ける機能を備えたこと。この機能を利用すると、修正ファイルを適用していないWebブラウザからは、インターネットにアクセスできなくなる。「この機能を利用することで、Webブラウザのセキュリティ・ホールをついたウイルスの侵入を食い止めることができる」(岡野マネージャー)。

 販売開始日はWebProtectが10月7日、WebManagerが10月11日。WebProtectの動作OSはSolaris8で、価格は25ユーザー以下の場合、1ユーザーあたり3950円。WebManagerの動作OSはWindows2000、Solaris2.6/7/8、Linuxで、価格は23万8000円(30ユーザー)から。

(西村 崇=日経コンピュータ)