「キーボードやマウスを使わずに,ペン1本で文字を入力したり描画ができるタブレットPCは,モバイルの利便性を大幅に向上させる」。タブレット機器最大手ワコムの山田正彦常務執行役員は,こう強調する。

 山田常務は,「外出先で立ったまま,マウスやキーボードを操作するのは難しい。ところがタブレットPCなら,営業担当者が客先で立ったままペンを操作することが可能になる」と続ける。

 タブレットPCは,ペンからの情報を検出するセンサーを液晶画面の裏側に備える。ペンは座標や筆圧などの情報をセンサーに発信。センサーはこれを検知してOSに情報を引き渡す。「当社のペンは電池や電源がいっさい不要。ペンはセンサーが発生させる磁界からエネルギーを得る電磁誘導方式を採用しているからだ」(山田常務)。

 ワコムのタブレット機器は,複数のパソコン・メーカーがタブレットPCに採用している。「今年11月に登場するタブレットPCのうち,公表できるメーカーだけでも東芝やNEC,日本エイサーなどがある」(山田常務)。

大和田 尚孝=日経コンピュータ