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 全世界を震撼させた米同時テロからちょうど1年目を迎えた11日,ニューヨークやワシントンなど全米各地で追悼式典が開かれたが,インターネットでも追悼の意を表したりイベントを開催するWebサイトが相次いだ。ほとんどの有名Webサイトはトップページのバナー広告を自粛した。ホワイトハウス(http://www.whitehouse.gov/)は通常のトップページの代わりに,追悼メッセージを全面に掲載した。

 米ヤフー(http://www.yahoo.com/)とカナダ(http://ca.yahoo.com/)のヤフーは,トップページを白黒のモノトーン・カラーにし,バナー広告を消して追悼の意を表した(右上)。同時テロ特集ページでは,米国旗や虹,キャンドルなどのタイル(アイコン)とともに,追悼メッセージを世界中から募集して掲載する企画を実施。日本からも500以上のタイルとメッセージが捧げられた。

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 インスタント・メッセンジャー大手の米ICQ(http://web.icq.com/)も,ユーザーからの追悼メッセージとともにキャンドルのアイコンを灯す追悼企画「Light a Memorial Candle」を実施(左)。1日で100万以上のキャンドルとメッセージが世界中から寄せられた。

 米AOLタイムワーナー・グループは,トップページのバナー広告の位置に,広告ではなくキャンドルの写真を掲載した。米AOL(http://www.aol.com/)のほか,雑誌の「タイム」(http://www.time.com/),ニュース専門局のCNN(http://www.cnn.com/),映画のワーナー・ブラザーズ(http://www.warnerbros.com/)など,グループの主要企業もそれぞれのサイトで同じキャンドルを灯した。

 書籍などインターネット通販最大手の米アマゾン・ドットコム(http://www.amazon.com/)は,ニューヨークの子供が描いた同時テロに関する絵や,「消防士さんへ おじさんを見つけたら,わたしと家族が寂しがっていると伝えてください」といったメッセージをトップページに掲載した(下)。これらは「Messages to Ground Zero」という本からの抜粋。この本の収益金はすべてニューヨークの公立学校基金へ寄付される。

amazon
 貿易センタービルへ突入した2機の航空会社,米アメリカン航空(http://www.aa.com/)は,通常のトップページの代わりに「お客様の継続的な支援や,この1年に私たちの従業員にしてくれた多くの親切に“ありがとう”と言いたい」などとするCEOからのメッセージを掲載した。2機を製造した米ボーイング社も,トップページの背景にキャンドルを並べて追悼の意を表した。

 一方,日本の首相官邸や外務省,在米日本大使館のWebサイトには,首相の談話など同時テロ関連情報へのリンクはあったものの,トップページの構成などは通常通りで特別な企画はなかった。ヤフーやAOL,アマゾンなどの日本法人のWebサイトも,通常通りだった。

井上 理=日経コンピュータ