キックティーヴィー(Kictv,http://www.kic.tv/)は9月11日から,スポーツ振興くじ(サッカーくじ,愛称toto)の当選結果を予想する有料サイト「Winning toto」(http://www.wtoto.com/)を稼働させる。月額利用料金は800円。キックティーヴィーはこれまで,テレビ番組表を電子データ化し,バナー広告付きでポータル・サイト向けに供給する事業を主力としてきた。新事業についてKictvの長谷川和広コンテンツ企画部プロデューサーは,「インターネット上の有料サイトはアダルト分野のものが先行している。アダルト以外の有料サイトでもビジネスが成り立つことを示したい」と意気込む。

 Winning totoの特徴は,Jリーグの各チームに対して,過去5試合の勝敗やシュート数,敵陣でのボール支配率などに基づき「サッカー偏差値」を導き出すことだ。勝敗やシュート数などのデータは,スポーツ関連のデータを提供するスポーツデータコーポレーション(http://www.sportsdata.co.jp/)から入手する。

 Winning totoがはじき出すサッカー偏差値は,あくまで一つの目安。利用者は独自の予想に基づき,シュート数などのデータを修正して,サッカー偏差値を算出し直すことができる。例えば,あるチームのエース・ストライカーが怪我で次の試合を欠場するような場合だ。利用者が「次の試合ではシュート数が減る」と考えれば,このチームが過去5試合に放ったシュート数の実績を「20」から「10」に減らして,サッカー偏差値を再計算できる。この“さじ加減”が,腕の見せ所というわけだ。

 「過去の試合結果やtotoの当選結果を提供するサイトは,いくらでもある。ただ,こうしたサイトは情報量こそ多いものの,その中から利用者が価値のある情報を入手するのは容易ではない。Winning totoは,誰でも一目で各チームの“強さ”を把握できる」(長谷川プロデューサー)。

 Winning totoの課金・認証システムは大手プロバイダー「nifty」や「biglobe」の仕組みを利用。利用料金はプロバイダー経由で利用者から回収する。目標の会員数はサイト開設後1年間で1000人。

(大和田 尚孝=日経コンピュータ)