「去年の仮処分決定以来,営業上の影響は大きかった。代理店やユーザーにこれ以上迷惑をかける必要がないとわかり,今はほっとしている。今後はこういったことで争うのではなく,製品で争っていきたい」。ネオジャパン(http://www.neo.co.jp/)の齋藤晶議社長(写真)は,サイボウズとの裁判に勝った結果を受けこのように語った。

 去年6月の段階でサイボウズ側の仮処分申請が認められたことについては,「仮の手続き,仮の判断であることに留意すべき。今回は仮の判断が覆されたと理解している」(ネオジャパン側の松本直樹弁護士)と述べる。

 Webグループウエア「サイボウズ Office」を模倣,著作権侵害に当たるとして,サイボウズがネオジャパンのグループウエア「iOffice 2000 バージョン2.43,同3.0」の頒布や使用許諾の差し止めを求めていた裁判の判決を受け,ネオジャパン側は9日に会見した。東京地方裁判所は9月5日,サイボウズ側の訴えを退ける判決を下していた。

 ネオジャパンの齋藤社長は,今回の訴訟の反省点として「設計や画面作成の過程において,他社の製品を事前に調査したり,特許などを考慮しておくような姿勢が甘かったかもしれない」と振り返る。同社が現在出荷中の最新版「desknet's」は,「弁護士や弁理士と話をしながら,開発を進めている。iOfficeで画面デザインに携わった担当者はあえて外した。デザインは外注し,さらに社内で問題にならないかどうかを検討した」(齋藤社長)と説明する。

坂口 裕一=日経コンピュータ