米カナ ソフトウェアのトーマス H.ドイルCOO CRMソフト・ベンダー,米カナ ソフトウェアのトーマス H.ドイルCOO(写真)が来日,日本での市場動向と今後の戦略について強気に語った。同社は2001年6月に米ブロードベース・ソフトウェアと米カナ・コミュニケーションズが合併して誕生。「合併後1年3カ月の間に,両社の製品統合やサポート拠点の統合を完了した。統合した製品の日本語版も2003年3月までに出そろう。これによって2003年の日本国内の売り上げは,前年比で2倍になるだろう。現時点でも,日本市場では昨年同期に比べて20%の売り上げ増となっており,不況下でも着実な伸びを示している」(ドイルCOO)。

 カナのCRM製品は,電話や電子メールによる顧客からの問い合わせに対して,電子メールやWebサイトなどでの返答を支援する機能や,顧客情報の分析機能などを提供する。順調な伸びの理由としてドイルCOOは,米IBM,KPMG,アクセンチュアなどとの世界的なパートナ・シップを挙げる。国内では,NEC,日本IBM,日本ユニシスの3社を戦略パートナと位置づけ,今後も関係強化を図っていく考え。「売り上げの増加に合わせて国内での人員も増強していく方針だ。しかし日本法人の人員を増強するのではなく,戦略パートナにおけるカナの担当者を増員するように交渉している」(カナ日本法人=http://www.kana.com/japan/=の中沼康昭社長)と説明する。

 今後,カナは全製品をJ2EEやマイクロソフトの.NETに準拠させていく。「標準技術に対応させることで製品開発の効率を上げる。英語版の製品はほとんどがJ2EEに準拠した。2003年末までには.NETにも対応する。競合他社もWebベースでの開発に向かうだろうが,この先3年間は追いつくことはできないだろう」(ドイルCOO)と語った。

(坂口 裕一=日経コンピュータ)