ソフトバンク・グループは8月30日,情報通信技術委員会(TTC)に提出していた動議が認められたと発表。ソフトバンクとビービ-・テクノロジーの代表取締役社長を兼ねる孫正義氏は「主張していた点が認識された。正当な土俵の上で技術を競い合う,本来あるべき姿になりそうで嬉しい」と一定の満足感を示した。

 ソフトバンク・グループがTTCへ提出していた動議の内容は2つ。1つは同グループが採用している通信方式「Annex A.ex」を制限するドラフトを取り下げること。もう1つは標準の方式を決める委員会における中立・公正な専門委員の選任。同グループによれば,前者については「ドラフトはいったん取り下げになった」といい,後者についても総務省などを含めて,委員会のありかたを再検討することとなったとしている。

 TTCでの議論および結論の詳細については「各方面の関係者に個別に当たっていただきたい」(孫社長)と明言を避けたが,関係者が「今日の孫さんはご機嫌だった。やっぱり勝ったからかな」と言うとおり,その表情からはかなりの満足感が伺えた。

 ただ,訴訟相手のイー・アクセスの最高技術責任者である小畑至弘氏に対しては厳しく糾弾。「それはまた別の問題。今回はコメントしない」とした。

(松浦 龍夫=日経コンピュータ)