「7月に勘定系システムの統合が終わったとはいえ,ほかにも実施すべき統合作業は残っている。すべてのシステム統合が終了する10月に向けて,気を抜かずに取り組んでいく」。三井住友銀行 情報システム企画部の茅野倫生副部長は,こう話す。

 三井住友銀行は7月22日に,勘定系の統合を完了した。統合作業は4月から合計7回に分割して実施。「旧さくら銀行の勘定系にある元帳データを,店単位で旧住友銀行の勘定系に移行した。元帳の移行に合わせて,店舗の端末も取り替えた」(三井住友銀行 情報システム企画部の増田正治グループ長)。現在の勘定系は,NECのメインフレームを使っている。

 勘定系は2001年4月からこの7月までの間,リレー・コンピュータを使って旧行間の勘定系を接続するシステム構成を取っていた。一方,情報系システムや国際系システム,証券系システムは,2001年度上半期に統合済みだ。

 今後は,金融機関同士の決済を行う全銀システムをはじめとする対外接続系システムや,口座振替の受け付けシステム,EB(エレクトロニック・バンキング)システムなどを段階的に統合していく。10月までに,すべてのシステム統合を完了させる計画である。

 三井住友銀行はシステム統合に伴い,ハブ&スポーク型のシステム構成を全面的に採用。同行が備えるさまざまなシステム群を連携させるためのハブ・システムを用意している。具体的には,勘定系と情報系などシステム間を接続する「システム間ハブ」(IBMメインフレームを利用),店舗の端末を束ねて勘定系とつなぐ「営業店ハブ」(NECのUNIX機を利用),外部システムとの接続を担う「チャネル・ハブ」(富士通のUNIX機を利用)の3種類がある。「10月からは新システムを生かして,新しい顧客向けサービスを素早く投入していく」(茅野副部長)。

大和田 尚孝=日経コンピュータ