ジョージ・ルーカス氏が率いる映画制作会社,米ルーカスフィルムが利用しているデジタル資産管理ソフトが日本に上陸する。日本SGI(http://www.sgi.co.jp/)が米SGIから,このソフトのソースコードのライセンスを購入,日本語機能を付加し,日本向け製品「SGI Infinite Media Library」として販売する。日本SGIは8月2日,Infinite Media Libraryの発売を開始した。

 もともとのソフトは,「米SGIとルーカスフィルムがジョイントして作ったもので,欧州の放送局などにも導入されている」(日本SGIの和泉法夫社長)。日本SGIは,日本でもデジタル資産管理システムの需要が拡大するとみて,日本に持ち込むことにした。Infinite Media Libraryは60万ステップに及ぶ大規模なソフト。「顧客の要請に応じ,必要なソフトをカスタマイズして販売する」(和泉社長)。

 Infinite Media Libraryの特徴は,デジタル・コンテンツの制作システムから,編集/配信システムまで,すべてのシステムについて一元的にコンテンツの管理ができること。個々のコンテンツについて修正や変更履歴も管理できる。既存のデジタル資産管理ソフトは,「個別システムごとの管理にとどまっていた」(和泉社長)という。

 さらに,日本SGIが出資するブロードバンド関連のシステム・インテグレータ,メディア・クルーズ・ソリューション(http://www.mcskk.com/)は9月から,デジタル・コンテンツを暗号化するデジタル・ライト・マネジメント用ソフト「Gibraltar」を発売する。Gibraltarを利用することで,著作権を保護しながら,デジタル・コンテンツ配信サービスが可能になる。

 日本SGIは,Infinite Media LibraryとGibraltarなどを組み合わせ,放送局やインターネット・サービス・プロバイダへ,システム提案をしていく。このほか,大容量のコンテンツを格納するためのストレージ「Media SAN Server」を販売していく。

谷島 宣之=コンピュータ第一局編集委員