経営コンサルタントの大前研一氏が,中国のリソースを活用したIT関連の日本企業向けアウトソーシング事業を年内にも開始することが明らかになった。サービスの内容は,データ入力,コールセンター,システムを含めたバックオフィス構築支援の三つ。まずは9月をメドに中国で法人を設立し,今年末までに日本企業向けのデータ入力サービスを開始する。

 大前氏は中国で事業を始めるにあたって,この7月中旬に中国ソフト最大手の東軟集団グループと提携した。今後,同グループなどと合弁で中国の大連に法人を設立する計画。日本向け事業にあたる従業員は,中国の東北大学と東北大学東軟情報技術学院から受け入れる。東北大学東軟情報技術学院は,東北大学と東軟集団が共同で設立したソフトウエア専門大学である。当初は100人程度で事業を開始し,数年内に1000人規模まで拡大する。

 同事業の日本での窓口は,大前氏のほかにスクウェア創業者の宮本雅史氏が出資しているアットワークが担当する。アットワークは,8月中にも社名を「ジェネラル・サービシーズ」に変更,中国事業を専門に行う会社とし,複数企業からの出資を新たに受け入れる予定。アットワークは1999年1月に中小企業やSOHOの間接業務支援会社として設立されたが,休眠状態にあった。

井上 理=日経コンピュータ