ディスプレイの電磁波を盗聴する装置

 清水建設は7月から,ビル管理・運営に関連するIT技術を展示・紹介するショールームを東京都江東区の技術研究所内に開設した。インターネット経由でビルの空調や施錠を管理・制御するシステムや,電磁波がビル外に漏れないようにする特殊なガラス,指紋を使った入退出管理システムなどを展示している。7月4日に報道関係者に公開した。清水建設の桜井仁情報ソリューション本部副本部長は,「実物を展示することで,ビルの建設を予定している顧客にわかりやすくアピールしていく。IT関連の受注高は現在のところ年間80億円程度だが,5年後には250億円程度にしたい」と意気込みを語る。

 写真右上はパソコンのディスプレイから漏れる電磁波を受信して,画面の様子を映し出す装置。画面左の受信装置とディスプレイ,及び右のアンテナからなる。ショウルームでは,ガラス扉をはさんで数m離れた所にあるディスプレイ(写真には写っていない)に表示されていたグラフや表が,受信装置のディスプレイに映ると,報道関係者のなかから驚きの声が上がった。受信装置が“盗聴”した画像は,白黒だが,内容はどうにか判別できた。

電磁波を遮ヘイするガラス扉 ここで清水建設が顧客に提案している電磁波を遮へい可能なガラス扉(写真左下)を閉めると,画面には何も移らなくなる。「電磁波を防ぐガラスは,企業で導入が進んでいる無線LANの電波が漏れるのを防いだり,建物外からの電波との干渉で通信速度が低下するのを防ぐにも有効」と桜井副本部長と説明する。

坂口 裕一=日経コンピュータ