アズジェント(http://www.asgent.co.jp/)は6月19日,さまざまなセキュリティ機能を統合して提供できるブレード・サーバー「X40S」を7月から出荷すると発表した。一つのきょう体に装着する「ブレード」群のそれぞれに,ファイアウオールや負荷分散など,異なる機能を持たせることができる。これによりユーザー企業は,必要なセキュリティ機能ごとに異なるハードウエアを用意する手間が省ける。アズジェントは主に通信事業者やデータセンター事業者,官公庁への販売を目指す。

 X40Sは,ハードウエアとして米クロスビームシステムズの製品を採用。1台のブレードに,イスラエルのチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズが開発したファイアウオール・ソフトである「VPN-1/FireWall-1 Next Generation」または「同VSX」をあらかじめインストールした。さらに,負荷分散装置の機能を持つブレードもあらかじめ装着した。このほか必要に応じて,ウイルス対策ソフトやURLフィルタリング・ソフト,不正侵入検知ソフトなどを,個々のブレードに搭載できる。

 負荷分散装置の機能を内蔵したメリットは大きい。通常は,ファイアウオールを効果的に利用するために,複数の負荷分散装置を購入して設置しなければならないが,X40Sを利用すればその必要がない。加えて,複雑なネットワークの構成や装置の設定を行う手間も省ける。

 X40Sは,通信事業者などのハイエンド・ユーザーを想定して,ギガビット・クラスの高速データ伝送が可能なポートを搭載していることも注目される。ブレードを10台装着した状態で,最大8ギガビット/秒を実現するという。

 「X40S」の価格は1180万円から。ファイアウオール・ソフトのライセンスは,別途を購入する必要がある。初年度で6億円の売り上げを目指す。

松浦 龍夫=日経コンピュータ