コンパックコンピュータは6月18日,グリッド・コンピューティング・システム構築事業への参入を発表した。科学技術演算分野だけでなく,流通業における需要予測システムや金融業におけるデリバティブ・システムといった商用分野への適用を目指す。そのために同社はグリッド・コンピューティング専門のサポートセンターも開設した。

 専門サポートセンターの名称は「コンパック・グリッド・サポートセンター」。東京・天王洲にある本社と,つくば拠点,大阪拠点,および海外7拠点に設置したUNIXサーバーやパソコン・サーバーを相互接続し,グリッド・システムを構築する。このシステムを使って,グリッド・システム構築用の標準的なミドルウエア「Globus Toolkit」の機能評価やセキュリティの検証などを実施する。センターは見込み客にも開放し,導入に向けた評価に役立ててもらう。グリッド・コンピューティング専門のサポートセンターは国内初だという。

 コンパックの中野守ソリューション企画推進本部HPTC推進部本部長は「インターネットがここまで普及したように,グリッド技術はこれからもっと普及していく。しかし,実際にグリッド・システムを構築するには,セキュリティをはじめとする細かい検証が必要だ。今回設立したサポートセンターを使って,そのノウハウを蓄積する」と意義を語る。サポートセンターは10人規模でスタートする。今後,日本ヒューレット・パッカード(HP)からも人材を迎え入れるなどして,陣容を拡大する。

松浦 龍夫=日経コンピュータ