コンピュータ・メーカーやソフト会社,研究者など160の法人・個人が集まって6月17日,「グリッド協議会」を設立した。グリッド・コンピューティングに関するグローバルな標準化団体であるグローバル・グリッド・フォーラム(GGF)に対して標準化の提案をしていくほか,グリッド・コンピューティングの認知度を高めるための啓蒙活動,情報共有などを実施していく。グリッド・コンピューティングは,ネットワーク上に分散する様々なコンピュータを統合して利用する技術。たとえば数百台のパソコンを論理的に統合し,1台のスーパー・コンピュータのように使うことができる。

 グリッド協議会の会長には,産業技術総合研究所の関口智嗣氏が就任。会員には,富士通やNEC,日本IBMをはじめとする107の法人と,研究者を中心に53人の個人が集まった。

 標準化に関しては,会員から集めた提案を検討・調整した後,GGFに提案していく。「個別にGGFの会員になっている企業や研究者もいるが,みんなが集まることで発言力が増す。グリッド協議会は,GGFの日本支部のような位置づけになっていくだろう」(ある会員)。

 啓蒙活動としては,会員の研究成果を発表する研究会の開催や,海外のグリッド研究者を招いた講演会などを開催していく。このほか,会員のGGF参加を支援し,GGFに関する情報共有などを行っていく。

(森 永輔=日経コンピュータ)