「ERPパッケージ(統合業務パッケージ)・ベンダーは大手企業に製品を導入するだけで,収益が上がる。だが,ユーザー企業はERPパッケージを導入しただけでは儲からない」と語るのは,サプライチェーン計画(SCP)ソフト大手米マニュジスティックス(http://www.manugistics.com/)のリチャード・バーグマン社長。一方,SCPソフトは企業の利益アップに直結するという。

 「ERPパッケージは事象を記録しているだけに過ぎない。納期が変わったり注文がキャンセルになった場合,企業がどのようなアクションを起こせばよいかを示唆してくれない。一方,SCPソフトは日々の変化を監視して,新しい環境の中で利益を最大限に引き出すための方法を示唆してくれる」。

 最近は,独SAPや米オラクルなどのERPパッケージ・ベンダーもSCP機能を提供し,自社製品を導入した既存顧客を中心に売り込もうとしている。この点についてバーグマン社長は,「ERPパッケージ・ベンダーのSCPソフトは機能面で明らかに劣っている」と一蹴。ERP最大手の独SAPを引き合いに出して,自社の優位さを強調した。

 「SAPはそのユーザー企業に,APOと呼ぶSCPソフトを無償で提供している。だが,実際にAPOを活用している企業はほとんどいない。ERPの最新版でないと,APOがきちんと動作しないからだ。そのため,SAPのユーザーの中にはAPOよりも当社のManugisticsを採用する企業が多い。現時点で,SAPユーザーのうち150社がManugisticsを導入している」。

 マニュジスティックスは2003年春,SCPソフトの最新版「Manugistics 7」を日本で出荷する。新版では,ERPパッケージなどで構築した既存システムからデータを収集する機能を大幅に強化する。出荷から2年間で30億円程度の売り上げを見込む。

(栗原 雅=日経コンピュータ編集)