テクマトリックス(http://www.techmatrix.co.jp/)は6月10日,無線LANを使った通信のセキュリティを確保する製品群の販売を開始した。米バーニア ネットワークス(http://www.verniernetworks.com/)の製品で,無線LANを使ったクライアントの通信を暗号化しVPN(実質的な専用線網)を構築できる。
 
 製品群の特徴は,IEEE802.11aや同802.11b,Bluetoothといった無線通信方式の違いを問わずに,VPNを構築できること。既存のVPN装置と併用することができ,IPSecやPPTP,L2TPなどVPNの暗号化方式や,アクセスポイントの機器メーカーにも依存しない。これにより,バラバラの暗号化方式や機器で構築されていた無線LANを一つに統合できる。

 今回発売するのは,「AM6000」,「CS6000」,「IS6000」など。AM6000は,無線LANのアクセスポイントを集約する機能を備え,ユーザー認証や無線LANクライアントとの通信の暗号化を担当する。CS6000は複数のAM6000やRADIUSサーバーなどの認証サーバーを集中管理するための製品。そのため,無線LANの利用者がルーターやファイアウオールなどで区切られた別のLAN(セグメント)に移動しても通信が途切れない。しかもセキュリティを確保したまま移動できる。ユーザーをグループ化してVLANを構築することも可能。IS6000は,AM6000とCS6000を一体化した製品である。
 
 価格は,AM6000が66万円から,CS6000が132万円から,IS6000が165万円から。大学などの教育機関や大企業,ホットスポット事業者向けに販売していくという。米国では,シアトル大学や西オンタリオ大学,米マイクロソフト,ホットスポット事業者の米ボインゴなどが製品を導入している。

鈴木 孝知=日経コンピュータ