サン・マイクロシステムズ(以下サン)など5社は5月20日,サンのサーバーと各社のセキュリティ・ソフトを組み合わせた「iForce統合セキュリティソリューション」の提供を開始すると発表した。ファイアウォールやウイルス対策ソフトといった,複数の異なるセキュリティ・ソフトを管理用端末の一つのウィンドウで操作できるのが特徴。各ソフトウエアはサンのインターネット・サーバー製品「Netra X1」に一つずつインストールし,チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(以下チェック・ポイント)の基盤ソフト「Open Platform for Security(OPSEC)」上で動作する(最小構成でNetra X1が4台とモニターのSun Blade 100が必要)。

 ツールを共同で提供する会社はサンのほか,チェック・ポイント,トリップワイヤ・ジャパン,トレンドマイクロ,リコース・テクノロジーズ。

 ネットワークへの攻撃の防止にはチェック・ポイントの「FireWall-1」や「VPN-1」を使い,アクセスの制御や認証,ネットワーク・アドレスの変換を行う。また,トレンドマイクロの「InterScan VirusWall」を使い,ネットワークへのウイルスの流出入を防ぐ。
 検出にはリコースの「ManTrap」,「ManHunt」やトリップワイヤの「Tripwire for Servers」などを使う。「ManTrap」はおとりのシステムを作り,サーバーを攻撃から保護したり,攻撃者の起動プロセスや攻撃日時などの情報を記録するソフト。「ManHunt」は外部からの侵入や内部ハッキングなどを検知・分析するソフト。「Tripwire for Servers」はサーバーが安全な状態の時にスナップショットを取っておき,これを基準として最新の状態との差異を分析・通報および復旧するソフトである。

 これらのソフトを使い,侵入を防ぐ,ウイルスを退治する,侵入者を追跡するといったように,状況に応じて攻撃に対応する。

 5社はこの発表に伴い,「iForce Ready Center」を開設した。ここにはサンのあらゆるサーバーやストレージが設置してあり,企業のシステムを再現して「iForce統合セキュリティソリューション」を実施したときの負荷の測定・分析を行う。5社はこのソリューションの導入を年間で1000社と見込んでいる。

松浦 龍夫=日経コンピュータ