米IBMは4月30日,最上位メインフレームz900の強化モデル16機種を発表した。従来の1~16プロセサ稼働(20プロセサ内蔵)のモデル1C1~1C9および110~116に対応する形で,プロセサ性能を15~22%向上させた,2xxモデル群16機種を追加したもの。5月15日から出荷する。

 最大機種のz900(2064)モデル216は本誌推定で3050MIPSに達する。富士通が今年2月に発表したGS21 600モデルグループ(11月末出荷予定)の公称最大性能3000MIPSを若干上回る模様だ。

 合わせてIBMは,ユーザーが性能要求の急増に対応して,IBMの専用Webサイトからソフトをダウンロードして適用することにより,z900の稼働プロセサ数や記憶容量を機動的に活性化できる「Customer Initiated Upgrade (CIU) 」機能を発表した。

 また,z/VMの新版V4.3を使用することで,VM上のLinux環境から,SCSIインタフェースのディスク装置が利用可能になる。z900またはz800のFICONチャネルとIBM 2108ファイバ・チャネル-SCSIブリッジを経由して,SCSIディスクに接続する。さらにz/OSとLinux環境についてはInternet Protocol Version 6 (IPv6) のサポートも発表している。

 なおIBMは2xxモデル群の価格を公表していないが,「1xxモデル群と比べて価格性能比が2ケタ向上した」としている。

(千田 淳=日経コンピュータ)