富士通の高谷卓副社長が4月25日,決算発表の席上で,みずほ銀行のトラブルがIT産業に与える影響について語った。「トラブルが発生してからの1カ月間,当社の秋草社長に対して,ユーザー企業の経営トップから相談の電話や面談の申し込みが相次いでいる。経営トップは今回のトラブルから,経営者が責任を持ってIT投資を行わなければ経営に甚大な影響を与える,ということを強烈に実感したようだ」。

 高谷副社長は「この1カ月間を見る限り」と断った上で,「(他人の不幸を喜ぶわけではないが)みずほ銀行のトラブルは,IT産業にとってビジネス・チャンスだ。富士通としては,IT活用を重視する企業のニーズにきちんと対応していくことで,産業回復の一助となれば,と考えている」(高谷副社長)。

森 永輔=日経コンピュータ