「ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)は,付加価値の高いサービスを提供しなければ生き残れない。今回のコンソーシアムは新サービスを生み出すための礎」。NEC,KDDI,日本テレコム,松下電器の4社は4月22日,ブロードバンド・サービスの標準化団体「メガコンソーシアム(仮称)」を設立すると発表。NECの芳山憲治執行役員常務(写真)は,その記者発表でコンソーシアム設立の狙いをこのように語った。

 NECのBIGLOBE,KDDIのDION,日本テレコムのODN,松下のhi-ho,4つのISPを合わせた総会員数は,約1000万ユーザー。現在首位である@niftyの会員数は,約518万ユーザー(2002年3月末時点)であり,倍近い会員を抱えることになる。

 メガコンソーシアム設立によって,「サービス仕様の標準化が進み,IP電話サービスやインスタント・メッセンジャなどのコミュニケーション・サービスを多くのユーザー同士で使えるようにできる」(芳山常務)という。

 ISP間の価格競争は激しく,その上ブロードバンド化により投資は増大するばかりである。芳山常務はコンソーシアム設立のメリットについて,「バックボーン回線などのインフラの相互活用による投資効果の向上」をあげる。また,「コンテンツの共同購入により,ユーザーに提供するコンテンツのラインナップを広げることも可能だ」(同)という。
 コンソーシアムでは6月から,具体的な活動内容や新サービスの検討を開始する。ただし,「試験サービス開始は秋ごろ,商用サービスは来年の春以降になる」(芳山常務)。今後は,他のISPやケーブルテレビ事業者などについても参加を呼びかける。「NTTグループのISPも,コンソーシアムへの参加を検討している」(芳山常務)という。

鈴木 孝知=日経コンピュータ