SAPジャパン,PwCコンサルティング,ジャストシステムの3社は4月18日,「第3世代ポータルイニシアティブ」を発足したと発表した。このイニシアティブの目的は,「第3世代ポータルの考え方を啓蒙すること。第3世代ポータルとは,個人の職種や資格によってコンテンツを変化させ,企業内の情報を横断的に連携させるシステムだ」(SAPジャパン e-エンタープライズ ビジネスグループの遠藤玄声バイスプレジデント)。

 第3世代ポータルイニシアティブの3社は今後,それぞれの企業が開催するセミナーなどで「第3世代ポータル」の考え方を示し,導入メリットなどを訴えていく。これまでSAPジャパンはポータル構築ソフト「mySAP エンタープライズ・ポータル」を販売,PwCコンサルティングはポータル構築のコンサルティングを手がけている。ジャストシステムは,概念検索ソフト「ConceptBase」を販売しており,2001年12月に企業内ポータル向けのコンサルティングを開始している。

 SAPジャパンの遠藤バイスプレジデントは,「第1世代ポータルとはグループウエアの導入,第2世代ポータルとはイントラネット内のリンク集のことを指す。現在の日本企業の企業内ポータルは,ほとんど第1,第2世代にとどまっている」と指摘する。「企業内の業務系・情報系のシステムを統合して,個々人に合ったコンテンツを提供する第3世代のポータルを作らなければ,ポータル構築の効果は出ない」(同)。

 第3世代ポータルイニシアティブの活動は,「あくまでも概念を啓蒙することが目的で,すぐに自社製品の拡販につなげようというわけではない」(遠藤バイスプレジデント)という。「すでにポータルやEIP(企業情報ポータル)という単語は普及している。第3世代ポータルの考え方を今年中に普及させ,マーケットの拡大に貢献したい」と,遠藤バイスプレジデントは意気込みを語った。

島田 優子=日経コンピュータ