CRM(カスタマ・リレーションシップ・マネジメント)ソフトのASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)専業のセールスフォース・ドットコム(http://www.salesforce.co.jp/)が,5月から順次,ASPサービスのメニューを強化する。まず5月から,マーケティング業務向けのキャンペーン管理用アプリケーション「Campaign Management」を提供,続いて7月からは携帯電話やPDA(携帯情報端末)からインターネット経由で同社のASPサービスを利用可能にする「Offline Edition」も始める。新サービスの月額料金は1ユーザー当たり,Campaign Managementは3万円,Offline Editionは2500円である。

 さらに早ければ今秋にも,基幹業務処理の機能を備えた「E-Business Suite」のASPサービスを開始する。従来の営業やサポート,マーケティング業務に加え,売り上げ管理や請求書発行などの業務を処理できるようになる。

 セールスフォース・ドットコムは品揃えの強化と並行して,顧客ごとのシステム構築への支援策も強化する。まず,同社のASPサービスと顧客の既存システムを接続・連携させるための開発ツール「Webサービスインテグレーションキット」を有償で提供する計画だ。

 さらに大手システム・インテグレーション会社との間で,販売・コンサルティングに関するパートナ契約を結んだことも正式に発表した。これまで直接販売で顧客を開拓してきたが,新たにNECやNECソフト,日立製作所,日立ソフトウェアエンジニアリング,東芝などをパートナとして,「業務コンサルティングや連携ソフトの開発を任せる」(セールスフォース・ドットコムの北村彰社長)。

 セールスフォース・ドットコムは日本で,すでにキッコーマンやサントリーフーズなど「約200社で導入実績があり,ビジネスは順調だ。今後はパートナ経由の間接販売を加えて,顧客企業の獲得ペースを上げていく」(同)考えだ。

(戸川 尚樹=日経コンピュータ)