みずほホールディングスは4月5日,みずほ銀行とみずほコーポレート銀行が発足した4月1日から続出しているシステム障害の内容と,今後の対策を発表した(発表資料)。

 まず,みずほ銀行の口座から預金を引き出した場合に,現金が未払いにも関わらず残高が減ってしまうトラブルはこれまでに147件発生。原因は,旧第一勧業銀行のホスト・コンピュータと旧富士銀行のホスト・コンピュータを接続する部分の不具合だった。具体的には,ホスト・コンピュータ同士のデータのやり取りを中継する「リレー・コンピュータ」と,ホスト・コンピュータとの接続プログラムにバグがあった。

 リレー・コンピュータの障害はほとんど復旧したと,みずほホールディングスは正式に発表した。ただし,コンビニエンス・ストア向けATMの管理会社であるイーネットが設置したATMからの処理は,受け付けを停止したままだ。みずほ銀行のオンライン・システムが完全に安定稼働するまで様子を見るためで,4月7日にサービスを再開する(4月8日追記:ATM復旧に関する4月7日付発表資料)。

 一方,公共料金の自動引き落としなどの口座振替が遅延するトラブルは約250万件。主な原因は,引き落としの請求データを旧3行のホスト・コンピュータに振り分ける処理が滞ったこと。さらに人的ミスも重なり,二重引き落としも4月4日までに約3万件発生した。来週中には,処理の遅れを取り戻したいという。

 「統合には万全を期したが,結果的には準備不足を認めざるを得ない。お客様には多大なご迷惑をおかけして,大変申し訳ない」(みずほホールディングスの石坂文人CIO)。みずほホールディングスは5日付けで,「緊急対策本部」を設置。原因究明や復旧に努めるという。対策本部長にはみずほホールディングスの前田晃伸社長が就いた。


(大和田 尚孝=日経コンピュータ)