第一勧業銀行と富士銀行,日本興業銀行が統合したみずほグループの,個人向け銀行である「みずほ銀行」のATM(現金自動預け払い機)で不具合が発生,被害が拡大している。みずほ銀行は,今日4月1日が,みずほ銀行としての新たな門出の日。にもかかわらず,UFJ銀行と同様,初日から試練に直面した。

 午前10時現在,旧富士銀行の店舗に設置してあるATMで,旧第一勧業銀行のキャッシュ・カードを使った残高照会や引き出し,預け入れができない状態にある。一方,旧第一勧業銀行のATMでは,これと逆の現象が発生している。さらに,みずほ銀行以外の銀行のキャッシュ・カードをみずほ銀行のATMで利用することができない状態だ。

 みずほ銀行のATMは,オンライン・システムが稼働したあと,午前8時40分ごろまでは正常に動作していた。だが,午前9時に店舗業務が一斉に始まった直後からATMに異常が出始めた。

 みずほ銀行広報に確認したところ,「まだ状況が確認できていない。原因も不明だ」という状況だ。一方,みずほ銀行のある行員は顧客からの問い合わせに対し,「旧富士銀行と旧第一勧業銀行のホスト・コンピュータ間の接続で一部,うまくいっていない部分があるようだ」と説明している。

 みずほ銀行本店(旧第一勧業銀行本店)の担当者は,「昨日の夜になってシステムの統合作業が終わったため,旧富士銀行のキャッシュ・カードや通帳を使ったATMの試験がほとんどできなかった」と説明している。

(栗原 雅,森 永輔=日経コンピュータ編集)

みずほ銀行の開業記念式典でテープカットする工藤正頭取(左)と,みずほホールディングスの前田晃伸社長 みずほコーポレート銀行の開業記念式典でテープカットする齋藤宏頭取(右)と,みずほホールディングスの前田晃伸社長