「マイクロソフトのPocket PCは競争相手として意識するほどのものではない。マイクロソフトがパソコン向けOSで成功したからといって,PDA(携帯情報端末)向けOSで成功するとは限らない」。

 3月28日に東京で開催された「Palm Source Japan Forum 2002」の記者会見で,PDA向けOS「Palm OS」の開発を手がける米パームソースのデビッド・ネーゲルCEOはこう断言した。米パームソースは,2002年1月に米パームのOS部門が独立した会社である。

 ネーゲルCEOによれば,「PDA向けOSに必要な機能や技術は,パソコン向けOSとは大きく異なる。実際,ここ1年のPocket PCのシェアは横ばいで,10%程度にとどまっている。Palm OSのシェアはすでに60%を超えている」。

 同社は6月に新版の「Palm OS 5」を投入し,シェア拡大に弾みをつける考えだ。「Palm OS 5の特徴は,PDA専用のARMプロセサで動作すること。これにより処理性能が飛躍的に向上する」(ネーゲルCEO)。ただしPalm OS 5を搭載したPDAが市場に出回る時期については,明らかにしなかった。

大和田 尚孝=日経コンピュータ