大規模ネットワーク向け高性能スイッチの大手であるエクストリーム ネットワークス(http://www.extremenetworks.co.jp/)は3月27日,主力製品に「IPv6(インターネット・プロトコル・バージョン6)ルーティング」機能を追加する,と発表した。対象製品は,レイヤー2/3スイッチである「Black Diamond」,「Alpine」,「Summit」の三つ。早ければ7月に出荷を始める。

 高性能スイッチのIPv6ルーティングについては最大手のシスコシステムズなどが先行しているが,エクストリームは既存製品にはない特徴を持たせることで対抗する。具体的には,スイッチが備える一つのポートで,IPv4のネットワークとIPv6のネットワークを個別に管理できるようにした。既存製品では,IPv4とIPv6のネットワークを個別に管理するには,ポートを二つ使わなければならなかった。

 7月以降に出荷する製品では,IPv6ルーティング機能をスイッチのチップセットに組み込む。エクストリームの既存製品については,スイッチに搭載する基本ソフト「ExtremeWare」のバージョンアップで対応する。ただし,この場合はスイッチ内部の処理速度が低下するので,最上位機種の「Black Diamond」には,IPv6プロトコルを処理できる,差し替え可能な「ネットワーク プロセッサ モジュール」を提供する。バージョンアップは原則無償。ネットワーク・プロセッサ・モジュールは790万円。

 現在は,IPv6のコンピュータ同士がIPv4ネットワーク経由で通信するトンネリング機能しか持っていないが,2003年にはIPv4とIPv6のコンピュータが直接通信できるようにするトランスレーション機能を追加するという。

鈴木 孝知=日経コンピュータ