「経済の回復に向けて日本企業がやるべきなのは,顧客やコスト構造を詳細に分析することだ。どういう顧客やコストが価値を生んでいるかを迅速かつ詳細に分析し,その結果から競合他社よりもいち早く行動をとることが重要になる」。データ・ウエアハウス構築ソフト「Teradata」を販売する米NCRのマーク・ハード コーポレーション・プレジデント兼TeradataディビジョンCOO(最高執行責任者,写真)は,3月7日に行われた記者会見でこう語った。

 データを分析するための方法はデータ・ウエアハウスのほかに,データ・ウエアハウスの一部を取り出したデータ・マートも多く使われている。しかしハードCOOは,全社のデータを分析することの重要性を訴える。「全社のデータをくまなく見渡さないと,データの変動要素を見落とすことがあり,結果的に誤った判断を招く。社内の全データを詳細にリアルタイムで分析できる仕組みにしなければならない」(ハードCOO)。

 ハードCOOは日本企業がデータ・ウエアハウスを構築するタイミングとして,今が適切だと説く。「米国企業が取り組んできたデータ・ウエアハウスの構築事例から,成功と失敗のポイントが見えてきた。日本企業はシステムをスムーズに導入できるはずだ」(ハードCOO)。データ・ウエアハウスの導入費用は構成や規模によって異なるが,小規模なものでは20万ドル程度から可能という。

坂口 裕一=日経コンピュータ