マイクロソフトは5月をメドに,BtoB(企業間電子商取引)システム構築用ソフトの新版「BizTalk Server Accelerator for RosettaNetバージョン2.0」を出荷する。同製品は「BizTalk Server2002」の拡張ソフトで,電子部品などの電子商取引規約である「ロゼッタネット標準」に基づいたBtoBシステムの構築を可能にする。新版ではロゼッタネット標準の最新版に対応するほか,同標準をほぼ完全にサポートする。

 BizTalk Server Accelerator for RosettaNetバージョン2.0(以下,バージョン2.0)の最大の特徴は,ロゼッタネット標準の中でメッセージの転送方式などを定めた「RNIF(ロゼッタネット実装フレームワーク)」の最新版である2.0に準拠すること。前版のバージョン1.0はRNIF1.1しかサポートしていなかった。

 バージョン2.0はRNIF1.1にも準拠しているので,RNIF1.1,同2.0のどちらのバージョンを採用している企業とも,電子商取引を実施することができる。マイクロソフト エンタープライズ サーバー製品部eビジネスサーバーグループの中野雅由マネージャは,「一言でロゼッタネット標準といっても,接続先の企業ごとに採用しているRNIFのバージョンが異なることがあり得る。バージョン2.0を使えば,RNIFのバージョンに制約を受けることなく,数多くの企業と接続できる」と話す。

 加えてバージョン2では,ロゼッタネット標準で定めた業務プロセス「PIP(パートナ・インタフェース・プロセス)」の全種類を使えるようにする。バージョン1.0では,代表的な8種類しか利用できなかった。しかもバージョン1.0と同様に,PIPの種類ごとに料金を徴収するようなことはせず,「数百種類あるPIPのすべてを追加料金なしで利用できる」(同深瀬正人シニアプロダクトマネージャ)という。

 マイクロソフトは,ロゼッタネット標準に基づいた他のBtoBシステム構築ソフトと比べて,準拠するRNIFおよびPIPの種類が多いことや価格が安いことを差異化ポイントとして打ち出していく考え。同製品を使えば,ロゼッタネット標準に基づいたシステム一式を600万円前後で構築できるとしている。

大和田 尚孝=日経コンピュータ