「昨年9月11日に発生したニューヨークの同時多発テロ以来,米国の企業はサイバーテロに対する備えに真剣に取り組んでいる。現に各社のIT予算の中でセキュリティ対策の優先度が事件発生後,急激に上がった」。こう語るのは,ファイアウオールのアプライアンス・サーバーの製造販売やセキュリティ関連サービスを手がける米ソニックウォール(http://www.sonicwall.com/japan/)のコスモ・サントゥーロ社長兼CEO(最高経営責任者)である。サントゥーロ氏は2001年10月,ソニックウォールの社長兼最高経営責任者に就任した。

 サントゥーロ氏は,「米国企業は事件発生以前は,情報システムに関する投資項目が10個あるとしたら,セキュリティ対策の優先度はせいぜい7番目から9番目だった。それが事件発生後,セキュリティ対策は,トップ3に入るほど高い優先度を持つようになっている」と説明する。

 ソニックウォールのファイアウオール製品は,ウイルス対策やWebサイトの閲覧制限,VPN(実質的な専用線網)の構築といった機能を持つソフトウエアを搭載できる。「ファイアウオールやウイルス対策など,セキュリティ製品の種類は多岐にわたる。製品が増えていくと運用管理も煩雑になってくる。当社のファイアウオール製品に他のセキュリティ機能を追加すれば,複数のセキュリティ機能を1台の機器で容易に管理できる」と説明する。

 サントゥーロ氏は,ソニックウォールのファイアウオール製品を新規に購入する米国企業の中には,VPN機能を追加するケースが増えていると語る。「おそらく,遠隔地にある支店から本社にある業務システムにインターネット経由でアクセスするというようなネットワークの利用方法が増え,ネットワークのセキュリティを確保する必要性が増しているからではないか」と推測する。

西村 崇=日経コンピュータ