玩具大手のトミー(http://www.tomy.co.jp/)は連結会計システムの強化プロジェクトを4月から始める。プロジェクトの目的は大きく二つ。連結決算データの作成期間を短縮することと,連結決算の内容をより細かく把握できるようにすることである。

 トミーの連結会計システムは,ハイペリオン(http://www.hyperion.co.jp/)の「Hyperion Enterprise」を使って構築し,2001年10月に本格稼働したもの。トミー本体や連結対象子会社(トミーテックなど)の基幹系システムから会計データを取り込み,連結決算データを作成する。データはイントラネットを介して,国内の連結対象子会社とデータを共有する。

 現在は決算期末(3月)の連結決算データが完成するのは20営業日後に,月次の連結決算データは10営業日後になっている。4月からのプロジェクトでは,トミーは連結対象子会社が個別に開発した基幹系システムの会計データをトミーの連結会計システムに取り込むモジュールなどを開発し,「4月中に連結決算の内容を開示できるようにする」(松木元財務本部業務改革推進プロジェクトサブリーダー)。現在は5月中旬に決算内容を開示している。連結決算データの作成時期が決算期末から20営業日後だと,このデータを監査法人の担当者が監査するのが5月の連休以降にずれ込むためである。

 併せて,このプロジェクトでは,連結会計データの分類項目を増やす。例えば玩具事業であれば,「トミカやポケモン,プラレールなど商品のカテゴリ別に細かく分類できるようにする」(松木サブリーダー)。現在の会計システムは「玩具事業」と「カメラ事業」,「その他の事業」の3カテゴリにしか分類していない。

栗原 雅=日経コンピュータ