インターネットイニシアティブ(IIJ)は3月から,インターネットVPNと広域LANを相互接続するサービスを開始する。接続サービスの名称は「Omnibus(オムニバス)」である。インターネットVPNは,IPと暗号技術を使って,インターネット上に構築する仮想的な専用線網のこと。広域LANは,イーサネット技術を採用した広域通信サービス。これらの二つのサービスは,プロトコルの階層が異なるため相互接続には向かなかった。

 Omnibusで接続できるのは,IIJのインターネットVPNと,IIJの関連会社であるクロスウェイブ コミュニケーションズ(http://www.cwc.co.jp/)の広域LANサービス。

 Omnibusでは,拠点間の通信に利用するインターネットVPNの帯域を確保するために,通常のインターネット利用とは独立して帯域を管理する。企業利用を意識して,設備については二重化するなどを信頼性を高めた。

 さらにインターネットVPNと広域LANの相互接続機能以外に,IIJのファイアウオール機能やIIJのデータセンターへの接続などと組み合わせて利用することができる。IIJの鈴木幸一社長は,「IIJの新しいネットワーク・サービスやセキュリティ監視機能などを,順次統合していく。将来的には,OCNなど他社のネットワークと相互接続できるようにしたい」と語る。
 
 Omnibusの料金は通信する拠点数ではなく,接続するサービスの種類と数によって決まる接続スイッチのポート数で算定する。6ポート使う場合で月々18万円から。初期費用として30万円が必要となる。IIJのデータセンターへの接続など,追加するサービスによって別途料金が必要になる。
 
 売り上げ目標は,初年度で2000万~3000万円。この金額は,接続サービスだけの売上目標であり,広域LANサービスやインターネットVPNの利用料金などは含まれていない。
鈴木 孝知=日経コンピュータ