「大手IT(情報技術)ベンダーが政府関連のシステム開発で,不当に大きな利益を上げることができる現在の政府調達の仕組みを今年は大きく変えていく。国はもう,大手ベンダーの言いなりにはならない」。経済産業省の古屋圭司副大臣は1月8日,情報サービス産業協会(http://www.jisa.or.jp/)が開催した賀詞交換会の席上,本誌記者にこう語った。

 古屋副大臣は,ある大手ITベンダーの幹部から聞いた話を記者に披露した。そのベンダーの全売上高のうち,官公庁からの売上高の割合は約20%。残りの80%は民間企業からであった。ところが利益はその逆。利益の約80%が官公庁からのもの。民間企業からの利益はたったの20%という。「それだけ官公庁から多くの利益を上げていることになる」(古屋副大臣)。

 経済産業省はこうした状況を問題視し,2002年度から政府調達の仕組みを大幅に改善していく方針である。「情報産業の健全な発展のために,健全な競争の仕組みを作り上げていく」と古屋副大臣は強調した。(大和田 尚孝=日経コンピュータ