コンピュータ・アソシエイツ(CA)日本法人は,顧客企業のユーザー部門への営業活動を2002年初頭に強化する。2002年2月に日本市場に投入するEIP(企業情報ポータル)構築ツール「CleverPath Portal」の販売を軌道に乗せるのが狙い。「EIPなど新規に発売する製品では,ユーザー部門主導でシステム構築するケースが増えている。売り込み先が変わってきたのだが,当社はユーザー部門への営業には長けていない」(CA日本法人の三ツ森隆司社長)ためだ。

 CAはこれまで,情報システム部門を主な対象として,ドル箱商品である同社の統合管理ツールの「Unicenter」やバックアップ・ツールの「ARCserve」を売り込んできた。来年は,このような営業体制を一部見直す。

 2002年1月にも,ユーザー部門向けの営業部隊「トータル・エンタープライズ・マネジメント(TEM)セールス」を,現在の約15人から倍増の30人程度に増強する。TEMセールスは2001年7月に試験的に設置した組織である。そのあとで2002年中に,EIPやプロジェクト・マネジメント・ツールなどの製品別に組織を細分化し,顧客企業のニーズに合わせて迅速に新規システムの提案ができるようにする。

 こうして,情報システム部門を回っている既存の営業担当者が,顧客企業でEIP構築などのプロジェクトの情報を持ち帰り,TEMセールスがユーザー部門にアプローチを開始する体制に変える。

 ただし,CAの製品の販売窓口はシステム・インテグレータなどのパートナ企業であることは変えない方針。CA日本法人はEIPツールなどの新規投入で,2002年度のオープン・システム向け製品の売り上げを前年度に比べ約25%増やす考えである。

(鈴木 淳史=日経コンピュータ