ECサイト構築パッケージ大手のエコス(http://www.ecoss.co.jp/)は11月28日,EJBコンポーネントの開発・実行基盤であるフレームワーク「ECOSS WAVE3 Framework」を発表した。同時に,富士通やNTTソフトなど数社が,すでにWAVE3 Frameworkによるシステム開発を開始していることも明らかにした。

 WAVE3 Frameworkは,J2EE 1.3準拠およびJ2EE 1.2準拠でEJB2.0の機能を含むWebアプリケーション・サーバー上で稼働する,EJBコンポーネントの開発・実行基盤。エコスの得意領域であるEコマース関連のサンプル・コンポーネントや,アプリケーション上で実行される各種イベントのフローを容易に制御できるGUIツール「eFlow Controller」などもバンドルされる。

 すでに複数のインテグレーターが,このWAVE3 Frameworkを利用した開発案件に着手している。富士通は,同社のWebアプリケーション・サーバー「INTERSTAGE」とWAVE3 Frameworkを組み合わせて,ユーザー企業のWebシステム構築を始めている。同様に,NTTソフトウェアもWAVE3 Frameworkを採用して,Webシステムを構築中だ。インテックは,ユーザー企業の基幹系システムの開発にWAVE3 Frameworkを採用,同社のパッケージ・ソフトも,順次WAVE3 Frameworkで設計し直す。このほか,伊藤忠テクノサイエンス(CTC)やフューチャーシステムコンサルティングなども,WAVE3 Frameworkの採用を前向きに検討しているという。

 大手インテグレーターにWAVE3 Frameworkが受け入れられている理由として,中村彰二朗副社長兼最高執行責任者は,「J2EEさえ勉強してもらえば使えるように,できるだけ分かり易く簡単・単純に作った。J2EEに完全準拠しているので,開発したコンポーネントの再利用も可能。開発の効率が,どんどん上がっていく」とする。

 WAVE3 Frameworkの料金は,開発環境の基本ライセンスが100万円,開発環境の利用ライセンスが1人あたり15万円(3カ月間),実行環境のライセンスが50万円(1サーバー)など。エコスは今後1年半で,開発に採用するインテグレーターなどの企業数で100社,WAVE3 Frameworkを利用したプロジェクト数で300件の獲得を目指す。

井上 理=日経コンピュータ