人材紹介業の大手であるイムカ(東京都千代田区)の谷内健一常務が日経コンピュータ記者と会見。「事件の続発によって,セキュリティ技術者の求人が増加している。今後は人材不足が深刻になる」と語った。発言内容は以下の通り。
今後,IT技術者の求人動向で最も注目されるのはセキュリティ分野だ。今夏,米国の求人動向を視察したところ,セキュリティ技術者の数が需要に比べて,圧倒的に不足していることが分かった。すでに,引く手あまたの状況になっている。能力の高いセキュリティ技術者は,1週間から1カ月程度の仕事で,数百万円の報酬を得られるほどだ。
その背景には,企業にとってインターネットがビジネスの「生命線」になりつつあることや,続発するセキュリティ関連の事件や事故に企業が脅威を感じていること,などがある。インターネットにつながなければビジネスを展開できないが,つなげば不正侵入や情報漏えいの危険にさらされる。米国企業はビジネスを遂行するための防衛体制を築こうと,真剣に取り組み始めている。
実際,米国では優秀な学生がセキュリティ技術者を志望するようになってきた。これまでは,ソフト開発の技術者を志望する傾向があった。
米国企業に比べて日本企業はセキュリティに対する認識が甘いと言われているが,徐々にその状況も変わりつつある。そのためか,日本企業のセキュリティ技術者に対する求人は増えつつある。近いうちに,人材不足が深刻になるだろう。