ヤフー(http://www.yahoo.co.jp/)は10月24日から,企業情報ポータル(EIP)を構築支援するサービス「コーポレートYahoo!」の営業を開始した。Yahoo!JAPANで提供するコンテンツのカスタマイズ・サービスMyYahoo!上の機能を,企業内で利用するグループウエアなどのアプリケーションとともに,Webブラウザから一元的にアクセスできる。

 「これまで培ってきたポータル事業のノウハウとブランド力を生かし,EIP構築サービスを皮切りに企業向けの事業を本格展開していく」と,Yahoo!エンタープライズサービスの野々村正仁部長は意気込む。まずは大企業を中心に新サービスを売り込む予定。サービス料金は,5000ユーザーが利用する場合,初期費用が1800万円(1ユーザー当たり3600円)。別途かかるサービス利用料金は月額125万円(1ユーザー当たり250円)。

 コーポレートYahoo!を利用することで,企業の社員はニュースや天気,電車の路線検索などMyYahoo!のコンテンツをEIP画面から利用できる。画面で表示するコンテンツは,社員の所属部署や役職に応じて,きめ細かく変更できる。このため画面のレイアウトや表示するコンテンツなどを自由に選択する機能を用意する。全社員に通知しなくてはならない重要な連絡事項を強制的に表示するように,システム管理者が設定することも可能だ。

 コーポレートYahoo!は,MyYahoo!の機能を,企業内に設置したEIP専用のWebサーバー経由で,社内のユーザーに提供する。EIP画面からMyYahoo!の機能にアクセスすると,EIP専用サーバーがYahoo!のWebサイトにインターネット経由で接続し,必要なデータを収集する。収集したデータをEIP専用サーバーが社内ユーザーの画面に合わせて加工して画面に表示する。EIP専用サーバーとYahoo!の間は,SSL(セキュア・ソケット・レイヤー)で通信を暗号化し,インターネット上のセキュリティを高めている。

 MyYahoo!の機能に加えて,グループウエアや営業支援ソフトなど,これまで社内で利用してきた既存アプリケーションも,同一画面で表示できる。既存のアプリケーションをEIP画面上で表示するために,JavaベースのAPIを用意する。オプション・サービスとして,動画や音声データをEIP画面から利用する機能の追加サービスや,Webサイトのデザインに関するコンサルティング・サービス,サーバーなどのメンテナンス・サービスを用意する。

西村 崇=日経コンピュータ