「企業間(BtoB)電子商取引の成長過程は4段階に分けられるが,日本企業はまだ第1段階にとどまっている」。BtoB向け電子カタログ管理ソフト大手の米ポエト(http://www.poet.com/)で,アジア・パシフィック担当副社長を務めるマイク・ホーガン氏は,日本のBtoBの現状をこう分析する。

 「BtoBへの取り組みの第1段階は,“環境整備”。日本では,まだ多くの企業がBtoB向けソフトを検討・準備するなど,環境整備を進めている段階だ。多くの企業の環境が整わない限り,BtoBは発展しない」(ホーガン氏)。

 ホーガン氏によれば,「BtoBの第2段階は,“オークション”市場が立ち上がり,多くの企業が参加する状態」である。さらに,「第3段階になると,売り手と買い手がインターネットを介して,1対1で取引を始める。第4段階では,マーケットプレイスが本格的に立ち上がり,多数の売り手と買い手が取引を行う」という。

 「欧米では,第4段階まで成長するのに3~4年かかった。この成功例を参考にすれば,日本のBtoBはもっと早く成長するだろう」とホーガン氏は予測。続けて,「日本では業界ごとに商習慣が大きく異なるので,欧米のような大規模なマーケットプレイスよりも,業界ごとの比較的小規模な“プライベート・エクスチェンジ”が流行るのではないか」(同)と語る。

 ポエトは,BtoB向け3製品の日本語版をこの10月に出荷したばかり。電子カタログを作成・管理・配信するための売り手向けソフト「eSupplierLink」,同じくASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)やマーケットプレイス向けの「eSupplierWeb」,そして電子カタログに記載された内容の正当性をチェックするための買い手向けソフト「eSupplierPort」である。

島田 優子=日経コンピュータ