日本SGIは10月15日から,ミッドレンジUNIXサーバー「Origin 300」を出荷する。MIPSプロセサとIRIX OS(同社製UNIX)を搭載する主力製品「Originシリーズ」の下位機種に位置づける。従来製品に比べて大幅に改善した価格対性能を武器に,製造・バイオ・エネルギー・防衛・通信など,幅広い分野での科学技術計算用途に売り込む。

 Origin 300は2プロセサ,主記憶512MB,ディスク18GBの最小構成で490万4000円。これに対して従来製品のOrigin 3000は,同じ構成で1000万円以上になる。同一価格帯での浮動小数点演算性能を比べても,20万ドル程度の構成でOrigin 300の性能は,Origin 3000を20%程度上回るという。

 ただし,この低価格化を実現するために,Origin 300は従来製品のOrigin 3000シリーズに比べて,拡張性を大幅に抑えている。搭載プロセサの最大個数とキャッシュ・メモリーの容量を比べると,Origin 3000シリーズがそれぞれ512個,8MBであるのに対して,Origin 300は32個,2MBにとどまる。

 Origin 300の基本モジュールは2Uサイズで,2個または4個のプロセサ,最大4GBの主記憶,二つのPCIスロットなどを格納したもの。SGI独自の接続機構である「NUMAlink」を使って,最大8モジュールを接続する。

鈴木 孝知=日経コンピュータ