日本オラクルの戦略子会社,ミラクル・リナックス(http://www.miraclelinux.com/)は10月10日,サーバー向けLinuxディストリビューションの新版「MIRACLE LINUX V2.0」を発表した。同社の茂木正之社長は「デフレの影響のせいか,ハードを含めたコスト比較でLinuxの優位性が改めて注目されるようになっている」と,新製品の拡販に自信をみせる。「最近はSolarisからLinuxに乗り換える事例が増加している」と続ける。あるシステム・インテグレータによると,「性能やシステム規模にもよるが,Linux用サーバーのハード価格は,商用UNIXサーバーの2分の1から3分の1程度」という。

 これまで商用UNIXが使われていた領域への進出を加速するため,ミラクル・リナックスは新製品とOracleの“相性”をいっそう良くした。MIRACLE LINUX V2.0はOracle8i(8.1.7)と同9i向けにあらかじめ最適化してあるので,「カーネル再構築やパッチ適用といった煩雑な作業無しにOracleをインストールできる」という。さらに同社は,MIRACLE LINUX V2.0とOracle9i Database for Linuxを同梱したパッケージ製品も用意する。

 MIRACLE LINUX V2.0そのものは,米レッドハットのRed Hat Linux7.1をベースに開発した。Red Hat Linux7.1と同じアプリケーションを動かせるようになった。

 新製品の投入を機に,サポート体制も強化した。有償サポートに関しては,Oracle製品と組み合わせた形で長期契約を結べるようにした。顧客にとっては,OSとデータベース・ソフトを同じベンダーから受けられることになる。このほか無償サポートの期間も,製品購入後30日間から90日間に伸ばした。

 MIRACLE LINUX V2.0の価格は,1サーバー6万円。MIRACLE LINUX with Oracle9iは22万7000円(12月20日までは18万円)。いずれも10月24日から出荷する。

鈴木 孝知=日経コンピュータ