ビジネス用ソフトの著作権侵害撲滅を目指して活動しているビジネス ソフトウェア アライアンス(http://www.bsa.or.jp/)は9月21日,2002年の活動方針を発表した。不正コピーの防止を訴えるといった,従来の活動を継続するとともに,「インターネット・パイラシ(Internet Piracy,インターネットを通じた海賊行為=著作権侵害)の撲滅に力を入れる」(水越尚子日本担当事務局長)という。

 インターネット・パイラシとは,インターネット上のオークション・サイトに出品されている違法コピー品を,それと知らずにユーザーが購入・利用してしまうことなどを指す。インターネットの普及や高速接続環境の整備などを背景に増え始めている,という。日本市場における違法コピー率が2000年は前年より37%増えたとBSAは推定しているが,この原因の一つにインターネット・パイラシの増加があるという。

 インターネット・パイラシ対策としては,違法コピー品が販売されているサイトを運営するISPの法的責任を明確にするよう関係機関に働きかけることや,インターネットをモニタリングして違法コピー製品を販売するサイトを摘発するための仕組みを整備することを実施する方針だ。ISPの責任を問う事例はすでに生じているが,今のところISPの法的な責任の有無は明確にはなっていない。関連する法律への明示もしくは新たな立法を求めていく。違法コピー製品を販売するサイトの摘発については,モニター要員の採用,摘発機能を持つ情報システムの構築などを検討していく。

森 永輔=日経コンピュータ