ジャストシステム(http://www.justsystem.co.jp/)はJavaで開発した統合オフィス・ソフト「Just Arks」を11月2日から出荷する。ワープロ・ソフト「一太郎Ark1.1」,表計算ソフト「CalcArk」,プレゼンテーション・ソフト「PrezArk」の3製品からなる。ジャストシステムで同製品の開発を統括する徳山貴樹氏は,「将来のインターネット・サービスを見据えた戦略製品」と力説する。
しかし,現時点では,Javaで開発したメリットはあまり感じられない。徳山氏は「さまざまなクライアントOSが混在する環境でも,同じソフトを使用できる」ことを利点として挙げる。だが,クライアントOS市場におけるWindowsの圧倒的なシェアや複数OS版があるオフィス・ソフトの存在を考えると,その利点を享受できるユーザーはそれほど多くない。
また動作OSを問わないといっても,ジャストシステムはMacintoshでの動作を保証しない。「Macintosh上では動作が不安定なため」(同)である。Just ArksはWindows95/98/Me/2000Pro/NT4.0,LASER5 Linux6.2,Turbolinux Workstation6.0,SPARC版Solaris2.6/7/8上での動作を確認している,という。
Javaで記述した分,通常のオフィス・ソフトよりも機能は限定されている。「各ソフトのメイン・プログラムは2Mバイト程度」(徳山氏)という。機能面で目を引くのは,標準のデータ保存形式に,HTMLの後継規格として,標準化団体のW3Cが策定した「XHTML」を使うことぐらいだ。このためJust Arksで作成した文書データやプレゼンテーション・データは,XHTML対応のWebブラウザ上で閲覧できる。
Just Arksのうち,今回,新たに開発したCalcArkやPrezArkは,ソースコードを公開しない。すでにオープンソースの製品として先行発売していた一太郎Arkも,次回のバージョンアップ時から公開を止める。その理由としてジャストシステムは「一太郎Arkのソースコードを活用するユーザーがあまりいなかった」(徳山氏)ことなどを挙げている。
Just Arksの価格は1万5000円。一太郎Ark登録ユーザー向けに8000円の優待パッケージも用意する。販売目標は2002年3月までに1万本としている。