ダスキン(ミスタードーナツ),日本IBM,日立製作所,NTTグループなど異業種20社は12月から,駅,飲食店,ホテルなどでブロードバンド・サービスを提供する新事業に共同で取り組む。ノート・パソコンやPDA(携帯情報端末)を持つた利用者は,最寄りの駅構内にあるミスタードーナツなどの飲食店から,無線LANを介してブロードバンド・サービスを利用できるようになる。12月から6カ所で実験を開始し,2002年度には全国2000カ所で実用することを目指す。

 ダスキンら20社は新サービスの推進組織として,「BeB協議会(ブロードバンドeビジネス協議会)」を9月中に本格設置する。新サービスのブランドは,「@MOBILE」を予定している。 BeB協議会に参加する飲食業としてはダスキンのほか,大手飲料メーカーが決まっている。2社は無線LANサービスの全国拠点を提供し,集客を手掛ける。無線LANなど機器は飲食業が購入し,企業ユーザーなどから拠点の利用料を受け取るビジネス・モデルを検討する。

 さらに,無線LAN機器やネットワーク機器ベンダーとして,IBM,日立に加え,シスコシステムズ,日本SGI,松下電器産業/松下通信工業が協議会に加わる。IBMとシスコの米国本社は,モバイルスターという名称で展開されているブロードバンド無線LANサービスに参加している。BeB協議会は,米モバイルスターの日本版と言えるサービスの実現に取り組んでいく。

 ブロードバンドの基盤は,NTTグループ,イーアクセス,電力/ガス関連のネットワーク会社が担当する見通し。BeB協議会の事務局は,Webを使った新事業の企画・運営ベンチャー企業のアットマーク・ベンチャーが担当する。

 さらに,野村総合研究所,IBMとNTTの共同出資会社の日本情報通信,ネットマークスといったシステム・インテグレータ各社もBeB協議会に参加する。インテグレータ各社は,各社の顧客企業に対し,今回の無線LANサービスを使ったビジネス・アプリケーションを提案していく。

谷島 宣之=日経コンピュータ